otakuossan’s blog

オタクのおじさんによるブログ

聖地沼津の旅は「なんかいいな」の連続だった③

2019年1月4日公開された映画の冒頭7分映像になります。

※注意 下記動画内のネタバレも含みます。

 

 

 

こちらには沼津の人々が描かれています。

この動画の最後の方に出てくる方達は実際沼津でラブライブ!サンシャイン!!を盛り上げてきた方々です。コンテンツ側のこの恩返しも、おじさんにはぐっときました。 

勿論、このPVに出ていない方々でも盛り上げていらっしゃる方は沢山いらっしゃいます。

その中から過去3回の訪問で印象に残っているお店をご紹介したいと思います。

「宝飾・時計 市川」さん(掲載許可を取りました。去年・・・)

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2017年に初めて訪れた時に驚いたのは、お店は入ってすぐのショーウィンドウ、普通はそのお店の一番の”売り”の商品が並ぶと思うのですが、ラブライブの街歩きスタンプのスタンプ台が置かれていたのが印象的でした。

スタンプを押しに入ると、お店の方が気さくに話かけて下さり、Aqoursメンバーのキャラクターの話す方便が実際に話されているのか等、地元の情報を教えて下さいました。

3回目の時に訪れた時にはラブライブのグッズがショーウィンドウの中の多くを占めるようになっていて、お店の方がコンテンツを楽しんでいるのが伝わってきました。

そして、このお店、公式コラボ商品であるアクセサリーを発売するに至ります。

 

 

失礼ながら商店街の中の宝石屋さんの1店舗がアニメコンテンツの公式とコラボをしているのは地方出身者としてはかなり衝撃的でした。

沼津の商店街のお店には個人商店が公式とコラボしたグッズを発売しているお店が他にも何店かあります。

洋服のノーブルさん。Aqoursメンバーのアイコンの刺しゅうハンカチを発売中。

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ノーブルさんの張り紙。この1枚からもラブライバーを歓迎してくれているのが解ります。

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ドールハウスKIMURAさんのドールフィギュア型スタンプ

 

Granmaさんによる、あげつち商店街に住む津島善子をイメージしたケーキ

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沼津ではスタンプラリーが開催されていて、スタンプの置いてあるお店はラブライブに溢れています。

www.llsunshine-numazu.jp

 

スタンプの置いてある和菓子店のほさかさん

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スタンプの置いていないお店も。

沼津市にあるインド料理屋さんは、系列が違っていても「インド人もラブライバーと交流したい」と表紙に書いてある交流ノートが置かれています。誰の仕掛けだろう。

 

街中はAqoursのメンバーがいっぱい。

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ラブライブ!サンシャイン!!が繋いだのは沼津の人とファンだけではありません。

現在の沼津市は幾つかの町が合併して出来た大きな町です。それ故に市内の地域毎に独立した組織も多いのですが、その組織同士がラブライブを通じてどうやって沼津市を盛り上げて行くかで交流が生まれ、距離が近くなったそう。

 

下記の本にそれらの話が語られた沼津の人々の座談会記事があるのですが良記事なのでお勧めです。(雑誌の公式サイトへのリンクです。アフェリエイトのリンクじゃないよ)

gs.dengeki.com

Aquorsのリーダー、高海千歌の住んでいる設定になっている安田屋旅館(太宰治が斜陽を執筆した旅館でもある)のオーナーが高海千歌をどう思っているか。

また、2018年の台風の被害で、アニメ登場の聖地の一つである沼津市の離島、淡島の桟橋が破壊されたものの、ファンに励まされた話。また、破壊される前の資料が無く大工の棟梁にアニメを見せて再建された話も掲載されています。

静岡の新聞のインタビュー記事では同じ商店街の人たち同士の距離が近くなったという話も掲載されていました。

 

Aqoursの地元沼津と、ライバルSaintSnowの地元函館の交流も。

函館のSaintSnowの実家のモデルの喫茶「菊泉」さんが沼津を訪れた日の「つじ写真館」さんの黒板。 AqoursとSaintSnowの合同グループのSaintAqoursSnowのイラストとともにが描かれた。

今度は逆に沼津のAqoursの高見千歌の実家のモデルである沼津の安田屋旅館さんが、函館の菊泉さんを訪れた。

 沼津と、函館のお店の交流。ラブライブ!サンシャイン!!が無ければ生まれなかった交流かもしれませんね。

 

ラブライブ!サンシャイン!!は掘ると底の見えない沼です。

私の大好きなマニア度の高いエピソードを一つご紹介させてください(早口)。

このアニメ、函館のスクールアイドル「SaintSnow」がAqoursのライバルとして登場しますが、最初の曲が「Baby Metal」のオマージュだと思われる曲なのです。

「SaintSnow」は姉妹ユニットで、姉が田野アサミさん、妹を佐藤日向さんが演じています。彼女たちは現在は女優・声優として活躍していますが、"元"アイドルでオマージュ元の「BabyMetal」と同じ事務所。佐藤日向さんは「さくら学院」というアイドルグループで彼女たちと同期です。

二人ともアイドル時代は2人とも正直ぱっとはしなかったそう。

田野アサミさんはアイドル時代に上がった一番大きなステージは渋谷BOXX(キャパ最大250人、ご本人のラジオ談)、佐藤日向さんもアイドルが沢山出るイベント以外では渋谷公会堂(約2000人)だったそうです。

ラブライブ!は中の人(声優)がそのキャラ本人として、アイドルとしてステージに立つコンテンツ。

2018年5月、5000人キャパの函館アリーナにて彼女たちSaintSnow主催のライブが開催され、その様子は大宮ソニックシティや全国・海外の沢山の映画館でもライブビューイングが行われました。

 

オープニングアクトはSaintSnow。

 

田野アサミ、佐藤日向がアイドルを演じる事でアイドルとしてステージに戻ってきた瞬間でした。当日はアイドル時代からのファンも駆け付けていました。

sauce3.hatenablog.com

その後、彼女たちは大阪城ホール西武ドーム、東京ドームのステージを”アイドル”として踏みます。

Aqours 3rdライブで田野アサミさんが泣きながら言った「私たちが決勝で歌えなかった曲を歌わせて下さい」というセリフ、彼女たちの色々な感慨、感情、背景を感じてしまい、おじさんは涙が止まりませんでした。

早口ここまで。

 

脱線しましたが戻ります。 

 

①にも書きましたが、オタクとしておっさんになるまで生きてきて、オタクであることで歓迎された経験って殆どないのですが、沼津を訪れると皆さん歓迎してくださいます。

ラブライブ!サンシャイン!!、Aqoursが好きだと伝えると喜んで貰える。

新鮮な体験で、嬉しい経験でした。

 

勿論、この歳になると沼津市とて一枚岩ではない事も解ります。

色々な考えの方が居て、色々な感性の方がいて一つの社会ですから。

それでも沼津市にはラブライブ!サンシャイン!!を広めよう、そしてファンに沼津市を好きになってもらおうと努力している方々が沢山居ます。

2018年6月、メットライフドーム西武ドーム)で行われ、日本各地・世界各地でライブビューイングも行われたライブにおいて、Aqoursのリーダー、高海千歌役の伊波杏樹さんが最後の最後で叫びました。

「もっともっとAqoursと沼津をよろしくお願いします!」

Aqours紅白歌合戦の出場が決まった時、地元のデパートや市役所にAqoursの出場を祝う垂れ幕がかかりました。

つい先日は地元の商店街に花を植える活動にボランティアとして沢山のラブライバーが集まったそうです。

 沼津、Aqours、ファンの素晴らしい交流が行われています。

マンホールへのいたずら事件などでネガティブな報道がとても多かったので、良いところもどうしても紹介したく、時間がかかりましたがキーボードを叩きました。

駄文にお付き合い頂いてありがとうございました。

 

私にとって、聖地・沼津市を訪れた3回の小旅行は、”へぇ”ボタン並みに”なんかいいな”ボタンを連打したい経験の連続でした。

いつか子供がもう少し大きくなったら、絶対にまた訪れようと妻と話しています。ラブライブ!を知らなくても美味しいものが沢山ある素敵な街なのでおすすめですよ。

 

余談ですが、沼津市出身の方に「保守的な静岡の中でも一番保守的な沼津の変わりように地元の人間が一番驚いている」と教えてもらいました。何故ラブライブを受け入れてくれたのか。その理由を探りに沼津を訪れるのも面白いかもしれませんね。

 

聖地沼津の旅は「なんかいいな」の連続だった②

 筆者は40代の中では若手のオタクです。同じくオタクな妻と夫婦でラブライバーをやっていたものの、ここ2年は高飛び込みの台から満面の笑みで沼にダイブする勢いです。

 「ラブライブ!」は主人公達が世代交代していて、初代は秋葉原の学校に通う「μ's」というグループが主人公、現在は2代目で静岡県沼津市を拠点に活動する「Aqours」というアイドルグループが主人公です。

正直、初代の「μ's」の活動終了がショック過ぎた事とアニメの出来にも思う所もあり、2代目のアニメ1期が始まってもそれほどハマれなかったのですが、Aqoursの声優による1stライブがとても良かった事と、ある時友人が聖地である沼津市を1泊2日でこれ以上ない位に効率よく回るツアーに連れて行って貰った事がきっかけとなり、Aqours沼という津に着船することになりました(突然の自分語り)。 

少しだけでも沼津、ラブライブ!サンシャイン!!というコンテンツの魅力を伝えられたらと思います。

 

①のブログでは、東京のグループが沼津市で開催した音楽イベントをご紹介させて頂きました。しかし、沼津市の住民による東京でのイベントも開催されています。この双方向感も良いなぁ。

沼津市の南口を出て、駅前通りをしばらく歩くと現れる「あげつち商店街」にある「つじ写真館」さん。沼津市側でラブライブ!サンシャイン!!のイベントなどを盛り上げる大きな原動力になっているお店の一つのようです。

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こちらの黒板アートはアニメの2期の最終話にも取り入られました。

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2018年5月8日から23日まで、原宿で「つじ写真館フォトコンテスト&降幡写真工房 コラボ写真展」が開催されました。

つじ写真館フォトコンテスト&降幡写真工房 コラボ写真展 / FUJIFILM WONDER PHOTO SHOP

つじ写真館フォトコンテストには、全国からラブライブ!好きのカメラ愛好家が参加し、彼らが沼津市のフォトスポットを散策・開拓し、アニメの聖地に限らない沼津の色々な写真が紹介され、沼津に住んで居る人でも気付かなかった新たな沼津市の魅力が発掘されたりもしたそうです。

また、原宿でのコンテストは写真誌「フォトテクニックデジタル」とのコラボイベントで、同紙に連載をもつ中の人の一人、黒沢ルビィ役の声優「降幡愛」さんがサプライズ参加。

 少し脱線しますが、Twitter等のSNSでは「#浦の星写真部」タグで写真を投稿している写真愛好家のラブライバーが沢山居ます。タグ1つを自由に付けて気軽に参加できるのも良いですね。

 

つじ写真館さんと沼津リバーサイドホテルさんがある「あげつち商店街」には主人公の1人、「津島善子(通称ヨハネ)」が住んでいるという設定になっており、7月12日(木)には沼津リバーサイドホテル、あげつち商店街による「ヨハネ誕生前夜祭2018」が開催されました。こちらは沼津市の住民による沼津市でのイベントですね。

平日開催にもかかわらず、沼津市の商店街の人は勿論、内外から(海外からも)400名もの人が集まって交流したとか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

沼津リバーサイドホテルの支配人さんが、「おはヨハネ!リトルデーモン(津島善子推しのこと)のみなさん!」と挨拶を決め、その後、沼津市長が挨拶しイベントがスタート、コンテンツを意識した料理の数々が出る中、商店街の方たちによる暖かいもてなしにより、沼津の人々とファンの交流がおこなわれたそう。

商店街のおじいさんや市長と写真を撮る列ができたとか。

正直、声優が参加するわけでも大きな特典が付くわけでもない、平日の夜に7,500円の参加費がかかる商店街とファンとの交流イベント、大丈夫なのかなと少し思ったのですが全くの杞憂でした。

コンテンツに理解の深い地元側が提供する料理や企画の持て成し、アニメの聖地の人との交流で得られる満足感、参加した方々を十分満足させるものだったようです。

正直参加した方々が羨ましい。40台のメタボ・既婚者には飛んでいける身軽さが足りなかった。。

 

ファンの交流イベントはこれ以外にも行われている模様。

 

③へつづく

 

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聖地沼津の旅は「なんかいいな」の連続だった①

2018年7月14日(土)、静岡県沼津市の市街を流れる狩野川のほとりにある「かのがわ風のテラス」において、アマチュア演奏家達による人気アニメ「ラブライブ!サンシャイン!!」の音楽を演奏するイベント、「音で沼津を照らしたい(通称おとぬま)」が開催され、妻と友人達と聴きに行ってきました。(現在2019年は2月後半、2018年の暮れに子供が生まれた為、空いた時間を見つけて少しづつ記事を書きました)

 

 

当日はかなりの晴天で、会場近隣の「沼津リバーサイドホテル」さんが、イベントの支援に飲み物(アルコールもあり)やおつまみの出店も出していたので、狩野川の風に当たり、お酒を飲みながら、好きなアニメの好きな音楽を聴ける最高のイベントでした。

終盤は500人は超えるお客さんが演奏に聞き入っていたと思います。

ツイッターで「#おとぬま」で検索すると当日の写真や動画映像が出てきますので、興味のある方は是非。

 

 

上の動画は当日の様子が撮影されたものです。終始良い雰囲気でした。

地元の音楽イベントも良く開催されている場所らしいですが、すぐ近くにマンションもホテルもあるので東京だとこの手のイベントは難しいかもしれませんね。。

(とはいえ、少し離れると狩野川の喧騒もあってか殆ど音が聞こえませんでした)

 

このイベントを主催したのは東京で「ラブライブ!」シリーズのセッション会をしているグループ。主催のバンドはイベント名と同じ「沼津を音で照らしたい」さん。

彼らはこのイベントに向けて長い準備を積んできたようで、沼津市の各商店街の商店にもポスターが張られていて、地元の人にも応援して貰えていたイベントなのが伺えました。

 

このイベントの開催以前に沼津市の神社のお祭りのイベントに参加したり、沼津リバーサイドホテルの大きな会場で行われる地元のイベントにもバンドで参加していたり、長く地元の人と交流を築いていた事もこのイベントが地元の支援を受けた一因なんだろうなと感じられました。

昨年の沼津市で行われたイベントではドラムをカルチャースクールで習っている商店街のご婦人と「ラブライブ!サンシャイン!!」の曲をセッションした事もあったそう。

バンドメンバーが全員、ラブライブ関連のTシャツ・衣装ではなく、沼津市の市役所等で売っている「PROUD 沼津」と書かれたTシャツを着ていたのも地元の人と、外の人の”想いあう感”が感じられて良いなぁと。

 

不自然なカルテットさんのギャラハイが良すぎた…#おとぬま pic.twitter.com/xSAFia9NSa

↑当日は弦の四重奏グループも参加。しっとりとした音楽空間も最高だった。 

 

↑主催ののえる氏のツイート。実は偶然このイベントの2週間前に彼とお会いする機会がありましたが、熱量を持って周りの人を巻き込んでイベントを引っ張る姿は同アニメのAqoursのリーダーとどこか被るよう見えました。

何かをやる時に必要なのは熱量だよなぁと。同作品を見ても、彼らのようにイベントを開催する人達を見ても思います。

 

余談を一つ。

当日の晴天もあって、沼津リバーサイドホテルさんの出店、大忙しでした。

従業員の方が忙しく働いていて、「もし”理解できないアニメ”の為に何故働かないと行けないんだ。とか思っていたら可愛そうだなぁ。。」とかちょっと昭和生まれのオタク的卑屈な感じになって居たんですが、ビールを注文したときに従業員のおねーさんが演奏されていた曲を聞いて「私この曲好き~」と言っていて、「あ、知っているんだ」と嬉しくなりました。

漁港の土産屋でかき氷を頼んだ時も、50代くらいの派手目のご婦人が「私は黒澤ダイヤ推しで、あのおばちゃんもラブライバーなんだよね」と話しかけて来て下さって、アニメという共通言語でちょっとした会話が出来る楽しみがありました。

沼津のお店の方はラブライバーに気さくに話しかけて下さいます。そしてラブライブに詳しい。オタクコンテンツが好きという事でオタクではない人たちに歓迎される機会なんて人生でほとんど経験が無かったので、新鮮な体験でした。

高まった熱量を消費すべく、沼津の街や人々、ファンの皆さんにも、「お、なんかいいな」と思う事が沢山あったのでその一部をご紹介できればと思います。

②へつづく

 

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